活躍する化学 どこで化学が活躍しているか
化学が大好きなみなさんは「どこで化学が活躍していますか?」と聞かれて,どんな場面を想像するでしょうか。
問題
次の中で化学が活躍しているものを選んでください。
A スポーツ … 化学が活躍しています。
陸上競技で使用するスパイクの重さを軽くする素材を開発したり,パラスポーツでよく用いられる体に適度に圧着する素材を開発したり,様々なスポーツ用品を作るときに化学が活躍しています。例えば,棒高跳びのポールのように,竹製のポールに比べ,大きく曲がるグラスファイバー製のポールを使用することにより,記録が飛躍的に伸びた競技もあります。
B 乗り物 … 化学が活躍しています。
使用する燃料を減らしたり,環境に影響を与えないようにしたりするために化学が活躍しています。例えば,強くて軽い素材の開発は,安全性と輸送時に使用するエネルギー削減の観点から重要です。機体には「軽くて,丈夫」という条件を満たす炭素繊維が利用されることもありますが,これも化学の活躍で生まれた素材です。
C おしゃれ … 化学が活躍しています。
化粧品,美容院で使われるカラー剤やパーマ液,マニキュアなどを作る際に化学が活躍しています。例えば,ネイルアートは紫外線を当てて硬化できる「光硬化性樹脂」を使うことで,従来のマニキュアに比べ塗料を乾かす時間を短縮しています。また,洋服を作るための新しい糸や布の開発にも化学が活躍しています。
D 料理 … 化学が活躍しています。
料理をよりおいしく,美しくするために化学が活躍しています。例えば,人工いくらと同じ方法でソースやジュースなどの液体を薄い膜で包んで球体にしたり,だし汁やワインをゲル化して「ジュレ」にしたりすることで,今までにはなかった食感を楽しむことができます。また,専用の器具に亜酸化窒素,卵白などの凝固剤,ペースト状にした食材を入れて振ることで食材を泡状にすることもできます。この方法を使えば,ワサビの泡,ポン酢の泡など,食品を泡状にでき,目でも食事を楽しむことができます。
このように,身近なものと化学は関係しています。
今,みなさんの目の前にあるものも,化学が活躍しているかもしれませんね。
化学だいすきクラブニュースレター第37号(2017年12月1日発行)より編集/転載