家庭でトライ!! スーパーボールをつくろう!
洗濯のりと食塩から,簡単にスーパーボールをつくることができます。好きな色のスーパーボールをつくってみましょう。
用意するもの
- 洗濯のり(PVAが使用されているもの)
- 食塩
- ペットボトル
- プラスチックコップ,スプーン
- 割りばし
- キッチンペーパー
- 食用色素や絵の具
※洗濯のりは百円ショップで購入できます。
※プラスチックカップは220 mLのものを使用しました。
実験手順1
ペットボトルに水道水と食塩を入れ,ふたを閉めてよく振って飽和食塩水をつくる。ペットボトルに半分程度の水に対し,食塩は約90 g溶ける。食塩水が飽和状態になっていないとうまくスーパーボールがつくれないため,写真のように溶け残る程度(100 g程度)の食塩を入れて何度もよく振る。できれば前の日の夜から準備しておくと良い。
実験手順2
洗濯のりをプラスチックコップの下から7〜8 mm程度の高さまで入れる。さらに着色料(食用色素なら耳かき一杯ほど,絵の具なら数mm程度)を加え,均ーになるようによ<かき混ぜる。
実験手順3
実験手順2のプラスチックコップに実験手順1でつくった食塩水の上澄み液を少量(スプーン一杯程度)加え,割りばしでよ<かき混ぜる。
実験手順4
着色された部分が写真のように少しかたまりになってくるまで実験手順3の操作を繰り返す。
※加える食塩水の量が多すぎると,スーパーボールのもとが完全に固まってしまい,後で丸く形をつくることが難しくなるので,食塩水は少量ずつ加える。
実験手順5
小さなかたまりをスプーンで集めながら取り出して,水を押し出すように手で丸めてキッチンペーパーでよく水気を切る。きれいに丸めると,本物のスーパーボールのようによく弾む。
※亀裂が入ってしまったときには,水道水で表面を湿らせて形を整えた後,プラスチックコップに残っている液体の中に入れて,表面を固めると良い。
※乾燥すると固くなってしまうので,保存するときにはチャックつきポリ袋に入れる。チャックつきポリ袋で保存すると,数ヶ月はもつ。
解説
洗濯のりに含まれているPVAは,ポリビニルアルコールという水になじみやすいプラスチックです。ポリビニルアルコールはひも状の構造をしていますが,洗濯のりの中では,まわりをたくさんの水分子が取り囲んでいるため,水とよくなじんでいます。ここに食塩を加えると,ポリビニルアルコールより水分子をひきつける力が強い食塩が,ポリビニルアルコールのまわりの水分子を奪ってしまうため,ポリビニルアルコールだけが集まって取り出されます。このような現象は「塩析」と呼ばれ,石けんの作製における分離の過程でも利用されています。
参考にしたもの:日本分析化学専門学校「すぐできる!なるほど★ザ★化学実験室」 http://www.bunseki.ac.jp/naruhodo/experiment/pop.php?id=213
化学だいすきクラブニュースレター第20号(2012年3月5日発行)より編集/転載