化学だいすきクラブ

家庭でトライ!! タマネギの外皮で木綿の布を染めてみよう!

身近な植物であるタマネギの茶色の外皮を使って,木綿を染めてみましょう。

この記事を書いた人: 小柳めぐみ
神奈川大学附属中・高等学校

準備するもの

  • タマネギ5個分の外皮(茶色の部分)
  • 焼きミョウバン
  • 木綿の白い布*1(ハンカチくらいの大きさ)
  • 輪ゴム数本
  • 目の細かい水切りネット
  • 計量カップ
  • キッチンスケール
  • 金属製のボウル
  • ガスコンロなどの加熱器具
  • 電気ポット
  • ゴム手袋*2
  • 割り箸

*1 染める布は,一度洗濯して糊を落としておく。

*2 染色液に直接触れると手が染まってしまう。ゴム手袋を着用して作業すること。

実験操作1

布に模様をつけるために,数か所,輪ゴムを数回巻いて,きつくしばる。しばったところが白く残って模様になる。いろいろな模様ができるように工夫してみよう。

布をしばったところ

布に模様をつけるために,数か所,輪ゴムを数回巻いて,きつくしばる。

しばったところが白く残って模様になる。いろいろな模様ができるように工夫してみよう。

実験操作2

900 mLの水を入れた鍋に,水切りネットに入れたタマネギの外皮を浸して,約30分加熱する。液の色が褐色になったら,割り箸で水切りネットを取り出す。これが染色液である。

タマネギの外皮を水に浸して加熱する

900 mLの水を入れた鍋に,水切りネットに入れたタマネギの外皮を浸して,約30分加熱する。液の色が褐色になったら,割り箸で水切りネットを取り出す。これが染色液である。

実験操作3

実験操作1の布を実験操作2の染色液に入れて約10分浸す。

布を染色液に浸す

実験操作1の布を実験操作2の染色液に入れて約10分浸す。

実験操作4

ボウルに焼きミョウバン15 gを入れ,ポットの湯300 mLを加えて,ミョウバン水溶液をつくる。実験操作3の布を割り箸で取り出して水気を切ってから,この液に約10分浸す。ミョウバン水溶液に入れる前後での色の違いを比べよう。実験操作3〜実験操作4を繰り返すと,より濃い色に染まる。

ミョウバン水溶液に浸す

ボウルに焼きミョウバン15 gを入れ,ポットの湯300 mLを加えて,ミョウバン水溶液をつくる。実験操作3の布を割り箸で取り出して水気を切ってから,この液に約10分浸す。

ミョウバン水溶液に入れる前後での色の違いを比べよう。

実験操作3〜実験操作4を繰り返すと,より濃い色に染まる。

実験操作5

布が褐色から明るい山吹色に変化したら,布を取り出して流水ですすぎ,輪ゴムを外して乾かす。

染めた布

布が褐色から明るい山吹色に変化したら,布を取り出して流水ですすぎ,輪ゴムを外して乾かす。

解説

ケルセチンの構造式

ケルセチンの構造式

人類は古くからさまざまな植物を用いて染色を行ってきました。

ここでは,タマネギの外皮に含まれる色素(ケルセチン)を抽出して実験しました。ケルセチンは,アルミニウムや鉄などの金属イオンと結合すると,水に溶けにくい物質を生じ,染めた色が変化します。このように,染料を固着し,発色させる物質を媒染剤といいます。今回は,媒染剤として,アルミニウムイオンを含んでいるミョウバンを用いました。

さびた鉄くぎも媒染剤として使うことができます。鉄くぎに食酢を注ぎ,これを加熱した後,コーヒーフィルターなどでろ過した液を100〜1000倍に薄めれば完成です。何色になるのか,ぜひやってみてください。

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化学だいすきクラブニュースレター第33号(2016年6月20日発行)より編集/転載

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