家庭でトライ!! デンプンから水あめを作ろう!
酵素がもつ不思議な性質を利用して,片栗粉から水あめを作ろう。
準備するもの
- 片栗粉
- タカヂアスターゼ錠(消化薬)*1
- 割り箸
- 計量スプーン
- 大きめの食器(どんぶりなど)
- キッチン用温度計
- ポット*2
- なべ
- ガスコンロ(カセットコンロ)
*1 薬局のほか,ネット販売でも購入できる。
*2 ポットにはあらかじめ熱湯を500 mL程度用意しておく。
実験操作1
食器に片栗粉を計量スプーンの大さじで3杯(約30 g)とり,大さじ3杯の水(約50 mL)を加えてよく混ぜ合わせる。
<アドバイス>片栗粉がダマにならないようによく混ぜ合わせる。
実験操作2
食器の中身を割り箸でかき混ぜながら,熱湯を少量ずつ粘り気が出るまで加える(熱湯を約250 mL加えると粘り気が出てくるが,一度には加えずに様子を見ながら少しずつ加える)。
<注意>やけどに注意する。
実験操作3
食器の中身の温度が約60 ℃まで下がったら,タカヂアスターゼ錠を3粒加え,割り箸でかき混ぜる。その後,約1時間放置するとさらさらの液体に変化する。
<アドバイス>放置している間もときどきかき混ぜる。
実験操作4
食器の中身をなべに移し,ガスコンロでおだやかに加熱する。
実験操作5
水が蒸発して無くなってくると,なべの中身がやや黄色の水あめ状に変化する。
解説
片栗粉にタカヂアスターゼ錠を加えて反応させ,水を蒸発させると水あめ状に変化します。このようになったなべの中身を割り箸に少し取ってなめてみると,甘く感じます。
片栗粉の成分はジャガイモなどに含まれるデンプンで,デンプンはグルコースという糖がたくさんつながった構造をしています。また,グルコースが2個つながった構造をしたものをマルトースといいます。マルトースは市販の「水あめ」の主成分で,麦芽糖とも言います。タカヂアスターゼ錠の中には,デンプンを分解してマルトースに変化させるアミラーゼという酵素が多く含まれています。アミラーゼは人間のだ液の中にも含まれていて,ご飯をよくかむと少し甘く感じるのもこのためです。
化学だいすきクラブニュースレター第32号(2016年2月20日発行)より編集/転載