家庭でトライ!! 卵から噴水?
卵の殻を食酢でとかし,薄膜のブヨブヨ卵にします。このブヨブヨ卵を水に浸しておくと,不思議なことに卵が大きくなります。この大きくなった卵に針を刺すと,卵の中の液がピューっと吹き出します。
準備するもの
- 食酢
- 卵1個
- ボウル(小)
- 新聞紙
- 針
実験手順1
食酢に卵を1〜2日浸す。
*卵を食酢に浸すと,卵の殻がとけ,表面から気体が発生する。
*時々,卵を軽く水洗いしたり,食酢を新しいものにするとはやくとける。
*薄膜は破れやすいので,卵を慎重に扱うこと。
実験手順2
ブヨブヨ卵を軽く水洗いし,水に1日浸す。
*ブヨブヨ卵が大きくなる。
実験手順3
卵を新聞紙の上に置き,針で刺し,すぐに抜く。
*卵から噴水が出る。
*実験後の卵は新聞紙で包んで捨てる。
解説
卵の殻の主成分は炭酸カルシウムで,食酢には酢酸が約5 %含まれています。卵を食酢に浸すと,炭酸カルシウムと酢酸が反応して,卵の殻がとけていきます。このとき,気体の二酸化炭素が発生します。卵の殻の内側には卵殻膜という薄膜があり,卵を1〜2日食酢に浸しておくと,卵の殻は反応しなくなり,薄膜のブヨブヨ卵ができます。このブヨブヨ卵を水に浸しておくと,水が薄膜を通って卵の中にしみ込んでいくので,ブヨブヨ卵は大きくなるのです。水がしみ込んで大きくなった卵の中の溶液の圧力は大きくなっています。このため,針で穴をあけると卵の中の溶液が噴水のように出てくるのです。
化学だいすきクラブニュースレター第17号(2011年2月20日発行)より編集/転載