元素ファミリー 昆虫に含まれる元素たち
昆虫は,頭部,胸部,腹部の3つの部分からなり,胸部には6本のあしがあります。現在知られている生物のうち半数以上は昆虫であり,約100万種類とも言われています。
カブトムシの外骨格
カブトムシの体は,外骨格と呼ばれる堅い外皮で覆われており,炭素,水素,酸素,窒素からなるキチンという物質からできています。しかし,カニの殻などとは違い,カルシウムは含まれていません。
トンボの血液
トンボなどは,背中にある背脈管から血液やリンパ液の働きのある血リンパが組織の間に送り出されます。このような昆虫の血リンパはヘモシアニンを含み,酸素と結びつくと銅に由来する青色となり,酸素が離れると無色となります。血リンパは,含まれている色素によっては黄色や緑色をしています。
食べられる昆虫
イナゴなどの昆虫は食用とされており,炭素,水素,酸素,窒素などからなるタンパク質や脂肪,そしてリン,カルシウム,ナトリウム,亜鉛,鉄などのミネラルが含まれています。特に,多くの昆虫ではタンパク質が,乾燥重量の6割以上となるため,栄養価が高いと言われています。
ハエの心臓
ショウジョウバエが,ジエチルエーテルという麻酔薬をかぐとダンスをするようにあしを振るわせたことから,背脈管の動きとカリウムが関係することがわかりました。ショウジョウバエは,心臓の不整脈に関わる新しい薬の開発などのモデル動物として利用されています。
化学だいすきクラブニュースレター第40号(2018年12月1日発行)より編集/転載