君も化学者! ビタミンCの量を調べよう
うがい薬を使って,身近なものに含まれているビタミンCの量を調べよう!
実験は必ず大人と一緒に行ってください。実験するときは,保護めがねを着用してください。
準備するもの
- 駒込ピペット 2本
- ビーカー(50 mLを3個,100 mLを1個,300 mLを1個)
- ヨウ素を含んだうがい薬
- メスシリンダー 10 mL
- ビタミンC 1袋(顆粒)
- ガラス棒 2本
- レモン果汁
実験方法1
1 mLの水を1滴ずつ滴下し,ピペットから出る1滴が何mLか調べる
<計算例>1 mLの水が17滴ですべて落ちたとすると,1滴あたりの体積は0.06 mLとなる
実験方法2
ビタミンCの顆粒1袋を水に溶かして,300 mLの水溶液を作り,ビタミンCの水溶液1滴に含まれているビタミンCの量を求める
<計算例>例えば,ビタミンCの顆粒1200 mgを溶かしたとすると,1滴の中にビタミンCが0.24 mg含まれていることになる
実験方法3
ヨウ素を含んだうがい薬を水で20倍に薄めて,ヨウ素溶液を作る
<アドバイス>メスシリンダーに5 mLのうがい薬をいれ,全体が100 mLになるまで水を入れて薄める
実験方法4
実験方法3のヨウ素溶液5 mLに,実験方法2のビタミンCの水溶液を1滴ずつ加え,何滴で色が消えるか調べる
<アドバイス1>ビーカーの下に白い紙をしくと,色の変化が見やすい
<アドバイス2>このとき実験方法1のピペットを使うこと
<計算例>9滴加えたところで色が消えたとすると,ヨウ素溶液5 mLは,ビタミンC2.2 mgと反応したことになる
実験方法5
市販のレモン果汁に含まれるビタミンCの量を調べる
<計算例>35滴でヨウ素溶液の色が消えたとすると,実験方法4より,レモン果汁35滴()中に,ビタミンCが2.2 mg溶けていることになる
レモン果汁の全体量から,ビタミンCの量を求めてみよう
実験の解説
この実験では,溶液の体積はおおよその値なので,ビタミンCの量もおおよその値となります。より正確に求めるには,ビュレット,メスフラスコ,ホールピペットなどの器具を使う必要があります。
含まれているヨウ素のためにうがい薬は褐色ですが,ヨウ素がビタミンCと反応すると無色に変化します。この時の量的な関係を使って,ビタミンCのおおよその量を見積もっています。実験方法5から,レモン果汁2.1 mLに,ビタミンCは2.2 mg溶けていることがわかります。レモン果汁が,例えば500 mLあったとすると,その中にビタミンCは,およそ520 mg()溶けていることになります。この他にも,身近なビタミンCを含んだものを探して,ビタミンCの量を調べてみましょう。自由研究のテーマにもなりますね。
化学だいすきクラブニュースレター第40号(2018年12月1日発行)より編集/転載