元素ファミリー 宮沢賢治と化学
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・」で有名な宮沢賢治の詩や童話には,多くの元素,鉱物,動物,植物,星などが登場します。
賢治は,当時東北帝国大学の片山正夫教授が書かれた『化学本論』という化学の教科書をとても大切にしていました。
今回は,ジョバンニと友人カムパネルラが銀河鉄道の旅をする物語である『銀河鉄道の夜』の4章「ケンタウル祭の夜」と7章「北十字とプリオシン海岸」の一部を紹介します。皆さんも賢治の作品を読んで,元素を見つけましよう!
4章「ケンタウル祭の夜」
●ジョバンニは,せわしなくいろいろのことを考えながら,さまざまの灯や木の枝で,すっかりきれいに飾られた街を通って行きました。時計屋の店には明るくネオン燈がついて・・・
●子どもらは,みんな新しい折のついた着物を着て,星めぐりの口笛を吹いたり,「ケンタウルス,露をふらせ。」と叫んで走ったり,青いマグネシヤの花火を燃やしたりして,たのしそうに遊んでいるのでした。
注 「マグネシヤ」とは,ここではマグネシウムのこと。
7章「北十字とプリオシン海岸」
●けれどもあやしいその銀河の水は,水素よりももっとすきとおっていたのです。それでもたしかに流れていたことは,二人の手首の,水にひたったとこが,少し水銀いろに浮いたように見え・・・
コラム
2019年は国際周期表年です。
ドミトリ・メンデレーエフが元素の周期律を発見してから150周年の記念すべき年にあたります。
化学だいすきクラブニュースレター第41号(2019年4月1日発行)より編集/転載