家庭でトライ!! マヨネーズをつくろう
酢と油を一緒に入れて振っても混ざらず分離してしまいます。ところがサラダなどに使うマヨネーズは,酢と油が入っていますが,分離することはありません。なぜでしょうか。実はマヨネーズの第3の材料,卵黄がその答えのカギを握っているのです。今日はその理由を確かめながらマヨネーズをつくってみましょう。
小学生以下の皆さんは,大人といっしょに実験をしましょう!
準備するもの
- 卵黄(卵2個)
- 酢
- サラダ油
- 使い捨てプラスチックコップ(3個)
- ボウル
- 泡立て器
- 割り箸
- 大さじ
- 計量カップ
*その他好みに応じてマスタード,塩,コショウなどを用意してもよい。
予備実験
実験手順1
使い捨てプラスチックコップに酢とサラダ油を同じくらい入れ,割り箸でかき混ぜてから放置します。やがて酢とサラダ油は分離してしまいます。
実験手順2
1個の卵の卵黄を2つのコップに分け,1つには酢50 mLを入れます。もう一つにはサラダ油50 mLを入れ,割り箸でかき混ぜると,酢もサラダ油も卵黄とよく混ざります。
マヨネーズをつくろう
実験手順3
ボウルに卵1個分の黄身を入れ,泡立て器でクリームのようになるまでよくかきまぜます。つぎに酢を30 mL(大さじ2杯)入れて,さらにかきまぜます。だんだん硬くなり白っぽくなってきます。お好みでマスタード,塩,コショウを加えてさらにかき混ぜます。
<コツ>卵は室温にしてから割って使った方がよく混ざります。
実験手順4
酢がまざったら,こんどはサラダ油180 mLを少しずつくわえてかき混ぜます。お酢の味がしなくなったら完成です。
<コツ>サラダ油を少しずつ加え,そのたびごとに,泡立て器でしっかりと手早く混ぜるとうまくできます。
実験の解説
卵黄は洗剤と同じ?
酢は水に酢酸などが溶けたものですから,水と油が混ざらないのと同じく,酢に油を加えただけでは混ざらず分離してしまいます。それなのにマヨネーズでは酢と油が混じっています。これは卵黄に含まれるレシチンという物質に秘密があります。レシチンの分子は水になじみやすい部分と油になじみやすい部分をもっています。予備実験のようにレシチンは酢にもサラダ油にも溶けます。そこでマヨネーズの中では,図のように水(酢)の中でサラダ油をレシチンが取り囲むのでサラダ油が水と混ざるのです。このような状態をつくることを乳化と呼びます。洗剤の分子もレシチンと同様に水になじみやすい部分と油になじみやすい部分をもっているので,同じように洗剤が食器や洋服についた油を取り囲んで乳化がおこり,油汚れを落とすことができるのです。
手作りのマヨネーズは日もちがしないので,冷蔵庫に入れて早めに食べましょう。
化学だいすきクラブニュースレター第6号(2008年1月20日発行)より編集/転載