家庭でトライ!! みるみる伸びる結晶を観察!
この実験では,ペットショップで入手できるハイポを使います。ハイポをお湯で温めてとかし,次に氷水で急激に冷却します。このハイポの中に小片を落とします。このとき,ハイポの結晶がみるみるうちに成長していく劇的な変化を観察することができます。さあ,実験してみましょう。
小学生以下の皆さんは,大人といっしょに実験をしましょう!
準備するもの
- ハイポ(チオ硫酸ナトリウム五水和物)
- 耐熱性のコップ(直径6 cm程度のもの)1個
- 洗面器2個
- 湯(80 ℃程度)
- 氷
- 棒状温度計(0〜100 ℃まで測れるもの)
- 文鎮
- はかり
- 計量スプーン(2.5 mL)
<注意>この実験では,耐熱性のコップまたは容器を使用してください。
実験手順1
ハイポ10 gと水2.5 mLをコップに入れる。ハイポをとかしたときの液の深さが5 mm程度になるようにするため,容器の大きさに応じてこの割合でハイポと水の量を変える。
実験手順2
洗面器に湯を用意し,ハイポの入ったコップを湯に浸す。このとき,コップを揺すりながらハイポを完全にとかす。
<コツ>ハイポは完全にとかしてください。固体のハイポが少しでも残っていると,冷却したとき結晶が析出してしまいます。
実験手順3
洗面器に氷水を用意し,ハイポの入ったコップを氷水に浸す。コップに温度計を入れ,温度が15 ℃になるまで冷却する。15 ℃になったら、氷水からコップを出す。
<コツ>冷却している間はコップと温度計を動かさないでください。ちょっとした振動でも結晶が析出してしまいます。析出してしまったときは,②の手順からやり直してください。何回でもやり直すことができます。冷却しているときはコップの上に文鎮を置き,手で触らず放置しておくのが良いでしょう。
実験手順4
ハイポの結晶を砕いて,約5 mmの小片をつくる。コップの中央に,このハイポの小片を落とす。このとき,コップ内の様子を観察すると,結晶が成長していくのがわかる。また,コップの底を触ってみると,少し温かくなっているのがわかる。
実験の解説
ハイポと呼ばれる物質を知っていますか? ペットショップで売っているものです。金魚を飼っている水槽で水がきたなくなってきたとき,水を入れ換えますね。このとき,水道水をそのまま使うのではなく,前もってハイポを入れるのです。ハイポの働きで,金魚にとって有害な塩素を除くことができます。。
化学だいすきクラブニュースレター第4号(2007年7月5日発行)より編集/転載