化学だいすきクラブ

君も化学者! 水を電気分解してみよう!

君も化学者! 水を電気分解してみよう!

実験は必ず大人と一緒に行ってください。実験するときは,保護めがねを着用してください。

この記事を書いた人: 宮本一弘
開成中学校・高等学校

準備するもの

  • 硫酸ナトリウム
  • 薬さじ(大)
  • ガラス棒
  • イオン交換水
  • BTB溶液
  • ビーカー100 mL
  • 角形の醤油さし*2個
  • 金属製のゼムクリップ2個
  • セロハンテープ
  • 駒込ピペット5 mL
  • 9 Vの電池

*柔らかい材質のもの

実験方法1

実験方法1: 硫酸ナトリウム水溶液をつくり,BTB溶液を加え水溶液の色を緑にする

硫酸ナトリウム水溶液をつくり,BTB溶液を加え水溶液の色を緑にする

実験方法2

実験方法2: 醤油さしにのばしたゼムクリップを刺し込む <注意>ゼムクリップを手に刺さないように注意すること <strong><アドバイス>ゼムクリップは,醤油さしに一度刺したら抜かないこと

醤油さしにのばしたゼムクリップを刺し込む

<注意>ゼムクリップを手に刺さないように注意すること

<アドバイス>ゼムクリップは,醤油さしに一度刺したら抜かないこと

実験方法3

実験方法3: 醤油さしの広い面を合わせて,セロハンテープで貼り合わせる

醤油さしの広い面を合わせて,セロハンテープで貼り合わせる

実験方法4

実験方法4: <strong>実験方法1の水溶液を,醤油さしの口いっぱいまで,駒込ピペットを使って入れる

実験方法1の水溶液を,醤油さしの口いっぱいまで,駒込ピペットを使って入れる

実験方法5

実験方法5: 残っている水溶液に醤油さしの口を浸した状態で,9 Vの電池につなぎ,電気分解する <注意>ゼムクリップどうしが接触しないようにする。接触していると,ショートしてゼムクリップが熱くなる

残っている水溶液に醤油さしの口を浸した状態で,9 Vの電池につなぎ,電気分解する

<注意>ゼムクリップどうしが接触しないようにする。接触していると,ショートしてゼムクリップが熱くなる

実験の解説

H2Oに硫酸ナトリウムを溶かして電気を流すと,水が分解され,陰極では水素H2が,陽極では酸素O2が発生します。この反応を水の電気分解といいます。化学反応式で表すと2H2O → 2H2 + O2となります。このとき,発生したH2O2の体積の比は,この化学反応式からわかるように,2:1となります。

硫酸ナトリウム水溶液にBTB溶液を加えても,水溶液の色は緑のままで,この水溶液は中世です。ところが電気分解を始めると,陰極側では青(アルカリ性)に,そして,陽極側では黄(酸性)に変化します。このことから,陰極ではアルカリ性のもとであるOH-が,陽極では酸性のもとであるH+が生成したことがわかります。陰極,陽極では,それぞれ次のような反応がおこります。この反応式の中のe-は電子を表しています。

陰極:2H2O + 2e- → H2 + 2OH-

陽極:2H2O → O2 + 4H+ + 4e-

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化学だいすきクラブニュースレター第45号(2020年7月1日発行)より編集/転載

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