キッズサイエンス: スプーンの音を楽しもう!
金属製のスプーンどうしをぶつけてみると,“カチ”と金属音が聞こえます。このスプーンに糸を結んで,響きのいい音を聞いてみよう!
実験は必ず大人と一緒に行ってください。
準備するもの
- 金属製のスプーン(大)2本
- 糸
- はさみ
実験方法1
30 cmくらいに切った糸の端を,スプーンに結ぶ
実験方法2
もう一方の糸の端を輪にして結ぶ
実験方法3
輪にした方の糸の端を手に持ち,スプーンをぶら下げる
ぶら下がったスプーンを,もう1本のスプーンでたたく
実験方法4
次に糸の輪に指を入れて,その指を耳に軽く入れ,スプーンをぶら下げる
ぶら下がったスプーンを,もう1本のスプーンでたたく
実験の解説
音は,物や空気が震え,この震えが私たちの耳に届くことによって伝わります。この震えを振動といいます。
金属製の2本のスプーンを手に持ってぶつけると,“カチ”という少し鈍い金属音が聞こえます。このとき,スプーンを手に持っているので,スプーンの振動が抑えられて,少し鈍い音が聞こえます。スプーンに糸を結んで,実験方法3のように,もう1本のスプーンでたたくと,“キ〜ン”と響きのいい音が聞こえます。これは,糸を結んだスプーンが振動し,この振動が空気を振動させるので,音が耳に届き,響いた音が聞こえるのです。
次に実験方法4のようにして,もう1本のスプーンでたたくと,さらに響きのいい音が聞こえます。これは指を耳に入れることによって,スプーンの振動が糸へ伝わり,さらにその指導が耳周辺の骨に伝わるからです。骨は振動を伝えやすいために,さらに響きの良い音が聞こえたのです。これを骨伝導といいます。この現象は,音を聞き取りやすくするイヤホンなどに利用されています。
化学だいすきクラブニュースレター第48号(2021年7月1日発行)より編集/転載