君も化学者! 暗闇に浮かぶ不思議な光
実験は必ず大人と一緒に行ってください。
実験を行うときは,白衣・保護めがね・実験用の薄手の手袋を着用してください。
準備するもの
- ルミノール
- 水酸化ナトリウム
- オキシドール
- ヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム
- 純水
- 薬さじ
- 薬包紙
- 電子てんびん
- 300 mLビーカー 1個
- ビーカー 2個
- メスシリンダー
- ガラス棒
- 駒込ピペット
実験方法1
200 mLの純粋が入ったビーカーに,ルミノール0.1 gと水酸化ナトリウム2.0 gを加えて溶かす(これをA液とする)
実験方法2
空のビーカーに,オキシドール20 mLとA液40 mLを入れて混合する
実験方法3
50 mLの純粋が入ったビーカーに,ヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム2.5 gを加えて溶かす(これをB液とする)
実験方法4
部屋を暗くしてから,実験方法2の混合溶液にB液を一滴ずつ加え,発光の様子を観察する
<アドバイス>大きめの段ボール箱を横にして囲いにして暗くしてもよい
実験の解説
化学反応では一般に熱の出入りをともないます。その代表例が燃焼です。しかし,一部の化学反応では,熱だけでなく光の放出をともなうものがあります。化学反応において光を放出する現象を化学発光といいます。化学発光は,化学で生じたエネルギーを受け取って物質が一時的に不安定な状態になったのち,安定な状態に変化する際にエネルギーを光として放出するためにおこります。
アルカリ性溶液中において,ルミノールをオキシドールに含まれている過酸化水素で酸化すると,青白く発光します。この反応をルミノール反応といい,ヘキサシアニド鉄(III)酸カリウムは触媒として働きます。血液中のヘモグロビンも同様にルミノール反応の触媒となるため,この反応は血液の検出に利用されています。大根に含まれるペルオキシダーゼという酵素もルミノール反応の触媒となります。新鮮な大根をすりおろした大根おろしを実験方法2の混合溶液に少量ずつ加えても,同様に青白く発光します。
発光すると温かくなると思うかもしれませんが,化学発光は熱の代わりに光を放出するため,ルミノール反応において発光中に溶液の温度はほとんど変化しません。実験方法2の混合溶液に温度計を入れて温度が一定になったことを確かめてから,B液を少量ずつ加えてみてください。発光中でも溶液の温度は変化しないことがわかります。
※実験後の廃液には金属が含まれます。先生の指示にしたがって適切に処理してください。
化学だいすきクラブニュースレター第50号(2022年4月1日発行)より編集/転載