君も化学者! まるで錬金術?! 金色に光る金属板を作ろう!
実験は必ず理科の先生と一緒に行ってください。
実験するときは,保護めがね,冷凍庫用皮手袋を着用してください。
準備するもの
- 50 mLビーカー
- 加熱器具(ガスバーナー,金網,三脚)
- 薬さじ
- 電子天秤
- ピンセット
- ペーパータオル
- 銅板*(2 cm×2 cm)
- 亜鉛(粉末)
- 水酸化ナトリウム
- ガラス棒
- 廃液用の容器
- 純水(洗浄瓶い入れておく)
*銅板は,表面に汚れや傷のないきれいなものを使用すること
実験方法1
純水25 mLに水酸化ナトリウム6 gを溶かし,水酸化ナトリウム水溶液をつくる
<アドバイス>水酸化ナトリウムを水に溶かすと発熱するので,少しずつ溶かす
<注意>水酸化ナトリウム水溶液が目に入らないように気をつける
実験方法2
亜鉛(粉末)5 gを,水酸化ナトリウム水溶液に加える
<注意>亜鉛の粉末が目に入らないように気をつける
実験方法3
溶液を加熱し,沸騰したら火を消す
*このとき,亜鉛(粉末)は残っている
実験方法4
銅板を実験方法3の熱い溶液に浸す
表面が銀色になったら銅板を取り出し,純水ですすぐ
<注意>洗浄した水は,先生の指示に従い,廃液として回収する
実験方法5
銀色になった銅板を,ガスバーナーの炎の中に入れる
表面が金色になったら純水ですすぐ
実験の解説
この実験は,銅の色を銀色,金色に変える実験です。まるで錬金術ですね。
水酸化ナトリウム水溶液に亜鉛を加えてから加熱し,そこに銅板を浸すと,銅板表面に亜鉛がうすくメッキされます。これが銀色の正体です。次に,銀色にメッキされた銅板の表面を高温で加熱すると,銅原子と亜鉛原子が混ざり合い,金色に光る合金である「黄銅(真鍮)ができます。黄銅は,身近なところでは金管楽器や硬貨(5円玉)などに用いられています。金色に光ってはいますが,残念ながら金とは全く別の物質です。
化学だいすきクラブニュースレター第54号(2023年7月1日発行)より編集/転載