家庭でトライ!! 酵素のはたらきを調べてみよう!
レバーに含まれる酵素カタラーゼの働きを見てみよう。酵素の働きで,過酸化水素の分解がスピードアップします!
準備するもの
- プラスチックのコップ 2個
- 生レバー *1
- オキシドール
- 包丁
- まな板
- 鍋
- 線香
- ライター
- 燃えさし入れ *2
*1 スーパー等で購入(牛,豚,鶏どれでも可)
*2 燃えさし入れに水を入れておく
実験操作1
レバーをコップに入る大きさに切る。これを2切れ用意する。
実験操作2
1切れのレバーを熱湯に10分ぐらいつけておく。
実験操作3
2つのコップに各々オキシドールを底から1 cmぐらい入れる。
実験操作4
実験操作3のコップの1つには生のレバーを,もう1つのコップには熱湯につけておいた実験操作2のレバーを入れる。
実験操作5
泡が出た方に火のついた線香を入れてみる。線香の先が泡に触れるぐらいがよい。
*注意:線香は激しく燃えるのでやけどに注意する。
解説
オキシドールは消毒薬として使われ,過酸化水素を約3 %含んでいます。常温で放置しておいてもゆっくりと分解し,水と酸素を生じます。化学反応式は次の通りです。
2H2O2 → 2H2O + O2
オキシドールに生レバーを加えると,より速く過酸化水素が分解して酸素を生じます。その結果,実験操作5では線香は激しく燃えました。これは,レバーの中に含まれるカタラーゼに,過酸化水素の分解を速める作用があるからです。このように反応を速める働きがあるものを触媒といい,その中でも生物において触媒の働きをするものを酵素といいます。酵素カタラーゼは,動物では腎臓や肝臓,植物では葉緑体に含まれます。生のレバーを熱湯につけると,カタラーゼが熱で変化をして触媒としての働きをなくし,酸素の発生が見られなくなりました。
また,酵素はpHによって働く程度が変わります。pHを変えて実験をしてみるのも良いでしょう。
化学だいすきクラブニュースレター第28号(2014年10月20日発行)より編集/転載