家庭でトライ!! 色がついたり消えたりする水溶液
デンプン水溶液にヨウ素を加えると,水溶液が青紫色になる。この水溶液を温めると青紫色がだんだん消えていく。再びこの水溶液を冷やすと,もとの青紫色に戻る。この不思議な色の変化を体験してみよう!
準備するもの
- ガラスコップ
- 洗面器 2個
- 小さじ
- 温度計
- デンプン(市販の片栗粉など)
- ヨウ素入りのうがい薬
- お湯(約60 ℃)
- 氷水
* うがい薬の容器が滴下式ならばそのまま使えるが,代わりに点眼ビンかスポイトを使って滴下してもよい。
実験操作1
小さじでごく少量のデンプンを取り,コップ1杯のお湯に溶かす。このとき実験操作2を行う前にデンプン水溶液の温度が室温になるまで待つ。
実験操作2
ヨウ素入りのうがい薬を2〜3滴加える。このとき,水溶液は青紫色になる。
実験操作3
青紫色の水溶液の入ったコップを,約60 ℃のお湯を入れた洗面器に浸す。しばらくすると,青紫色はだんだん薄くなり,やがて色が消える。
実験操作4
色が消えた水溶液を,氷水の入った洗面器に浸す。
しばらくすると,水溶液が青紫色に戻る。この変化は,何回も繰り返すことができる。
解説
片栗粉はジャガイモなどからつくられ,デンプンを主成分としています。デンプンの水溶液にヨウ素を入れると青紫色になり,この変化はヨウ素デンプン反応としてよく知られています。
この色の変化は,デンプン分子のらせん構造にヨウ素分子が入リ込むことによリ起こります。青紫色のデンプン水溶液をお湯で温めると,デンプン分子やヨウ素分子の熱運動が激しくなり,ヨウ素がデンプン分子のらせん構造から出て行きます。そのため,青紫色が消えていくことになります。次に,色が消えたデンプン水溶液を氷水に入れて冷やすと,ヨウ素分子がらせん構造に入リ込み,再び青紫色になります。この変化は温めたり冷やしたりすることで,繰り返すことができます。
化学だいすきクラブニュースレター第23号(2013年2月28日発行)より編集/転載