化学だいすきクラブ

家庭でトライ!! キッチンで炎色反応

花火のさまざまな色は,金属元素それぞれが持つ特有の「炎色反応」からきています。炎色反応の実験は,いろいろな試薬と設備が必要なので,理科室でしかできないと思いがちです。今回は家庭にあるものを活用して,キッチンで炎色反応を観察してみましょう。今回観察するものは,カルシウム,ナトリウム,カリウム,ホウ素の4種類の元素です。少し部屋を暗くすると,それぞれの色が見やすくなります。

こちらの記事もご参照ください:君も化学者! 炎に色をつけてみよう!

この記事を書いた人: 山﨑友紀
アドバイザー

準備するもの

準備するもの: 除湿剤または肥料用の消石灰(塩化カルシウム入りの除湿剤を数粒取り出します。ハサミを入れたところをセロハンテープで補修すると除湿剤として使えます),食卓塩(塩化ナトリウム),焼ミョウバン(カリウムの入った焼ミョウバン),ホウ酸(ホウ素),それぞれ少量,消毒用アルコールまたは無水エタノール(エタノールというアルコールでコットンに含ませる程度なので10 mLくらいで十分です),アルミカップ(お弁当用)5個,陶器のお皿,化粧用コットンまたは脱脂綿,点火ライター

除湿剤または肥料用の消石灰(塩化カルシウム入りの除湿剤を数粒取り出します。ハサミを入れたところをセロハンテープで補修すると除湿剤として使えます),食卓塩(塩化ナトリウム),焼ミョウバン(カリウムの入った焼ミョウバン),ホウ酸(ホウ素),それぞれ少量,消毒用アルコールまたは無水エタノール(エタノールというアルコールでコットンに含ませる程度なので10 mLくらいで十分です),アルミカップ(お弁当用)5個,陶器のお皿,化粧用コットンまたは脱脂綿,点火ライター

注意!

  1. 火を扱うのでやけどに注意し,近くに,水で湿らせたタオルを置いておきます。もしもの時は,広げてかぶせると火を消すことができます。
  2. 大人といっしょに実験してください。

実験手順1

実験手順1: アルミカップを5つ,それぞれ陶器のお皿の上に並べます。

アルミカップを5つ,それぞれ陶器のお皿の上に並べます。

実験手順2

実験手順2: 化粧用コットンを小さくちぎって,それぞれにエタノールを含ませます。(コットンは小さい方が安全です。)

化粧用コットンを小さくちぎって,それぞれにエタノールを含ませます。(コットンは小さい方が安全です。)

実験手順3

実験手順3: 除湿剤,食塩,焼ミョウバン,ホウ酸を,5つのアルミカップに入れたコットンにそれぞれ1種類ずつふりかけます。残りのひとつは何もふリかけずに,エタノールだけの色を観察するためにつかいます。

除湿剤,食塩,焼ミョウバン,ホウ酸を,5つのアルミカップに入れたコットンにそれぞれ1種類ずつふりかけます。残りのひとつは何もふリかけずに,エタノールだけの色を観察するためにつかいます。

実験手順4

実験手順4: 周りに脱脂綿やアルコールなどの燃えやすいものがないことを確認し,部屋を少し暗くして点火します。すると次の色を観察できます。左上から順に 上段左)エタノールだけで何もない炎:黄色。 上段右)除湿剤のカルシウム:オレンジ 下段左)食卓塩のナトリウム:黄 下段中)ミョウバンのカリウム:紫 下段右)ホウ酸のホウ素:緑

周りに脱脂綿やアルコールなどの燃えやすいものがないことを確認し,部屋を少し暗くして点火します。すると次の色を観察できます。左上から順に

上段左)エタノールだけで何もない炎:黄色。

上段右)除湿剤のカルシウム:オレンジ

下段左)食卓塩のナトリウム:黄

下段中)ミョウバンのカリウム:紫

下段右)ホウ酸のホウ素:緑

その他の注意

  • アルコールをこぼさないよう十分に注意し,燃焼中には決してつぎ足さないようにしてください。
  • アルコールが少なくなったら,はやめに消しましょう。
  • アルコールが少なくなってくると結晶が突然はじけることがあるので顔など近づけないようにしましょう。

解説

写真提供:隅田川花火大会実行委員会写真提供:都立小岩高等学校教諭中條敏明氏

花火は着色剤を含む火薬でできています。燃焼して高温になると,着色剤に含まれる元素特有の色の光を出すので、色とりどりに光って見えます。例えば着色剤には,ストロンチウム(赤),ナトリウム(黄),銅(緑),バリウム(黄緑),カリウム(紫),などの化合物が使われています。このように,ある種の元素を含む物質が高温の炎の中で,元素特有の色を示す反応を「炎色反応」と呼んでいます。

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化学だいすきクラブニュースレター第19号(2011年10月31日発行)より編集/転載

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