キッズサイエンス: 消える絵?
茶色の色水で,紙に絵を描くと色が変わります。また,その絵を消す実験をしてみよう!
実験は必ず大人と一緒に行ってください。
準備するもの
- コップ2個
- うがい薬(ヨウ素が含まれているもの)
- 筆2本
- 紙(コピー用紙)
- ペットボトルのお茶
実験方法1
うがい薬を,水で約10倍に薄める
実験方法2
実験方法1の色水を筆につけて,紙に絵を描く
実験方法3
絵が薄い青紫色になる
実験方法4
紙が乾いたら,お茶をもう1本の筆につけて,描いた絵を1,2回なぞる
実験方法5
絵が消える
実験の解説
ヨウ素を含んだうがい薬で絵を描くと,色が茶色から青紫色に変化しました。うがい薬の茶色はヨウ素の色です。紙は植物の繊維を絡めて作られていますが,多くの紙では,繊維と繊維を接着させて紙を丈夫にするために,デンプンが使われています。ヨウ素とデンプンが一緒になると,ヨウ素デンプン反応が起こり,色が青紫色〜赤紫色になります。このために,うがい薬で紙に絵を描くと青紫色になったのです。
ペットボトルのお茶には,お茶を変色しにくくするためにビタミンCが加えられています。このビタミンCは,ヨウ素と反応すると,ヨウ化物イオンという別のものに変えてしまいます。また,茶葉にもビタミンCなどのヨウ素と反応する成分が含まれています。このためにヨウ素デンプン反応が起こらなくなり,絵の色が消えてしまったのです。ビタミンCはレモンなどにも含まれています。レモン果汁でも実験をしてみてください。
*この実験では,化学だいすキッズ(ISSN 1881-6991)のNo.7(2010年)に掲載された「うがい薬でカラーマジック」を,より簡便に行うための変更を加えました。
化学だいすきクラブニュースレター第55号(2023年12月1日発行)より編集/転載